#6 終わりなき旅 / Mr. Children

 

難しく考え出すと

結局全てが嫌になって

そっと そっと逃げ出したくなるけど

高ければ高い壁の方が

登った時 気持ちいいもんな

           終わりなき旅 / Mr. Children(作詞:桜井和寿) 

 

1998年にリリースされたMr. Childrenの15th シングル。

今もなお名曲と謳われライブでも頻繁に披露される、

ファンだけでなく世間が認めた曲のひとつだと私は思っている。

何度、生歌で鳥肌が立ったことだろう。

20年も前の曲であるが、歌詞を語る上でもこの名作は外せない。

 

私がこの曲に出会った時は発売されてから何年か経っていたであろうか。

2番のサビが当時からすごく大好きだった。

考え事をすると、悪い方へ悪い方へ想像が膨らんだり、

限界を感じて嫌になったり、ネガティブ思考の人間はつい、

気持ちが沈んでしまう。

だから都合の悪いことは考えないようにしたり、

知らなかったフリをしてやり過ごしたり、

そうやって逃げた経験は誰でも持っているのではないだろうか。

 

高ければ高い壁の方が登った時気持ちいい。

大人になった今では、高い壁を越えようとするのではなく、

超えずに済む方法を考えるようになった。

賢く生きていると言えばそうなのだが、

自分に残っているものは何だろう、誇れるものは何だろう、

そんな気持ちに押し殺されそうになる時がある。

 

でも人は、逃げているようで知らずに壁を登っている。

幾つもの試練が襲っても、必ずそれを乗り越えて生きている。

かわすことだって超えることだと思う。

かわす術を見つけたことが、超えたという証だ。

 

子供の頃は、そうだよなぁ、なんてぼんやり思いながら

この曲を聴いていたけれど、

大人になってくると、辛かった頃の自分と、それを終えた自分を思い返して、

頑張ったな、って思える。

 

そして今も、壁は続く。歳と共に、変わる環境と共に。

扉をノックして入り込んだ次の世界でまた、いくつもの新しい壁が立ちはだかる。

その度に覚えた登り方で壁を登ったり、経験から考え出した策を試してみたり、

いつしかまたひとつ乗り越えて成長する。

もっと大きなはずの自分を探す、

終わりなき旅。