#13 ずっと、ふたりで / 家入レオ

言いたくないこと

言わなくて良いんだよ

僕にもそんな過去ならあるし

だけど君を愛する気持ちには

何の曇りもないだろう

           ずっと、ふたりで / 家入レオ(作詞:杉山勝彦

 

2017年にリリースされた家入レオの13thシングル曲。

彼女の透き通る歌声と、高いキーでも力強くまっすぐ通る歌声が、

切なさとその中にある愛する気持ちの力強さを、上手に表現している。

 

人間は皆、人に言えない・言いたくない過去を持っているもので、

自分が見たり経験してきた全てを知るものは、誰もいない。

親だって全てを見ているわけではないし、

恋人と出会ったのだって人生の途中から。

言いたくないことは隠そうと思えば隠せるし、封印も出来る。

 

恋愛をすると、その人の全てを知りたいと思う人も少なくはないだろう。

まだ出会う前の自分の知らない過去を、何かから見つけたり人から聞いたり。

もちろん、ただ話していなかっただけ、ということだってある。

それでも自分の知らない過去に動揺し、相手を疑うことだってある。

言いたくないことは言わなくていい、自分にもそんな過去ならある。

この歌詞に惹かれてしまうのは、

私にも消したくても消せない過去があるということなのだろうか。

 

大事なのは、今のあなたを愛しているということ。

過去に何があったって、今目の前にいるあなたが、

自分にとってのあなたであって、過去のあなたを知らないからと言って、

何を疑うわけでもなく、全てを知ろうとするわけでもなく、

ただ今のあなたを愛している。

本当に人を愛すると、きっとそうなるんだろうと思う。

そして本当に大事なことは、いつか打ち明けてくれるのだろう。

この曲を聴くと、寛大な心を他愛のない会話から見つけられたような、

そんな感覚を覚える。

どんなに不器用で生きるのが下手だって、過去に何があったって、

その人を愛する気持ちは揺らがないと信じたい。