#31 LOVE & HONESTY / BoA

大きな風の中

うずくまりながら思ってた

何もかも言える人がいたならと

ちっぽけな僕だから

みんなそうだから

強いとこ それより弱いとこ結ぼう

     LOVE & HONESTY / BoA(作詞:BoA / Natsumi Watanabe)

 

2004年にリリースされたBoAの3rdアルバム「LOVE & HONESTY」表題曲。

コーラスワークが光るミディアムバラード曲で、洋楽テイストな曲調。

アルバム曲と言うこともあり世間の知名度は比較的低いが、

当時アルバムはヒットし、10代とは思えない歌唱力と表現力で世間を魅了していた。

 

親に言えないようなことも、親友には言えたり、

友達にはなかなか言えないことを親に聞いてもらったり。

人は無意識のうちに話の内容と話せる人を分類している。

何もかも言える人なんて、そうはいない。

 

お互いの強みを褒め合ったり、共通の趣味で意気投合したり、

ポジティブな繋がりは自分を励まし人生を楽しくすることだろう。

魅力に惹かれるのは当然のことだ。

でもそれは時として、脆く壊れやすい。

一度亀裂が入るとあっという間に砕けてしまうこともある。

 

強い繋がりを求めている人にとって、

強く引き合わせる部分を見つけるには、何を見つめたら良いのだろうか。

親友なんて作ろうと思って出来るものでもないし、

結婚だって簡単に相手が見つかれば苦労はない。

うまくいかない人はたくさんいるし、何が問題なのかなんて、

本当のことはわからないことだってある。

 

ここが良いと思って好きになった。

この人と一緒にいて楽しいから、いつも一緒にいたい。

きっとみんなそんな気持ちから親友や恋人を作っている。

それが必ずしも脆く壊れやすい関係だとは言わない。

ただ、良いと思った人の悪いところは、いつ見えてくるだろう。

付き合う前から嫌なところがあれば、好きにならなかったかもしれない。

親友になる前に共感できない行動を目にしたら、共に生活はできないかもしれない。

後からそういう部分を見てしまうから、亀裂が生じる。

 

強いとこ、それより弱いとこ結ぼう。

自分が日ごろから駄目だと思っている部分を持っている人を目にしたら、

その人のことを煙たがるだろうか。

まるで駄目な自分を見ているようだと、目を逸らすだろうか。

コンプレックスに思っていることや、恥ずかしくて人には言えない趣味、

そんな部分を他人に発見できたら、嬉しく思わないだろうか。

眩しい人と無理に一緒にいて、自分を輝かせて見せなくたっていい。

弱い部分で繋がっている人達は、助け合うことを知っている人間だと思う。

もちろん、自分の足で立つことに越したことはない。

でも、独りじゃ地盤が緩くても、二人になるとしっかり立てるかもしれない。

 

人の良いところに目を向け、評価をすることは良いことだ。

でも、愛するなら誠実になろう。

悪いところ、簡単にさらけ出せないところ、

そんな部分を愛し愛される関係だからこそ、

これから先も断ち切られることのない絆が生まれるのではないだろうか。

今そばにいる人のネガティブな部分を、見つめることは出来ているだろうか。

本当は届かなくて伝わらなくて、隠している部分があるかもしれない。

そんなところをさらけ出して繋がることが出来たなら。

そのためにはまず、自分がさらけ出す勇気を持たなければならないのだろう。