#59 遥花~はるか~ / melody.

抱きしめたい

あなたをぎゅっと暖めたい

あなたが凍えないように

強く 望むなら優しく

心つなぎ その夢が届きますように

           遥花~はるか~ / melody.(作詞:白鳥マイカ

 

2008年にリリースされたmelody.の引退前ラスト11thシングル表題曲。

ハワイで生まれ育ったため英語の発音が良く、全英語詞や英語交じりの曲が多い。

その中でも「遥花~はるか~」は全日本語詞で、彼女には珍しい楽曲である。

透明な歌声が非常に心地良く、当時ドラマの主題歌にも起用されヒットした。

 

抱きしめたいあなたをぎゅっと、強く、望むなら優しく。

愛する人を抱きしめるとき、あなたはどんな気持ちで抱きしめるだろうか。

想いが伝わるように、ぎゅっと、強く、痛いと言われるくらい、

強く強く抱きしめて、何も言わなくても気持ちが伝わるように抱きしめるか。

それとも包み込むように、相手の気持ちを受け入れるように、

優しくそっと抱きしめるか。

 

抱きしめて愛を伝えるのは、少し自己満足のような気もする。

もちろん、抱きしめられて初めて愛を感じる人だっているだろう。

でも、どんな抱きしめ方をすれば相手が一番幸せを感じるかを、

意識したことはあるだろうか。

性欲のままに抱きしめるのは、自分の欲を満たすため。

寂しいから抱き寄せるのも、自分の心を暖めるため。

そうではなくて、相手を幸せにする抱きしめ方とは、どんなものだろうか。

 

どうして大事なことはそばにいると気付けないのだろう。

愛は一方通行では成立しない。

あなたは今、私に何を望んでいるか。

幸せだ、と思ってもらえることは、どんなことだろうか。

そもそも、あなたを幸せで満たそうとしていること自体、

傲慢なことなのだろうか。

 

遥か彼方まで咲き続ける花をイメージしたというこの曲。

二人の愛という花が遥か彼方まで咲き続けるには、

一方通行では決していけない。

強く、望むなら優しく。

あなたが嬉しいと思ってくれることをしてあげたい。

その気持ちは、きっと永遠をくれる。

 

自分の思いよりも、相手の気持ちを優先できることは、

それが意図的でなく自然に思えることは、とても素敵なことだと思う。

まだそんな人には巡り会えていないと言う人も多いかもしれない。

無償の愛を捧げることが出来る人に、私も出逢いたい。

いや、出逢えているのだとしたら、失うことを恐れずに、

その人のために見返りを求めず何かをしてあげたい。

誰と生きたいか。誰と生きるべきか。誰が自分と生きたいと思っているか。

色々な気持ちが混ざり合うのが人生。

皆が幸せになる選択を、しっかりと出来ますように。