#61 2人 / ともさかりえ

お互いの考え方 聞いたり答えながら

今までは気づかずいた自分と出逢った

わかり合える楽さは肩を寄せるだけだね

足りなかった "強さ" は別れの時手に入れたよ

一緒にいたかった 思っているけど

2人が輝くのは 2人が離れてるから

                 2人 / ともさかりえ(作詞:秋元康

 

1997年にリリースされたともさかりえの4thシングル表題曲。

女優としてのイメージが強い彼女が、

歌手として精力的に活動していた頃にリリースされた楽曲である。

ハスキーめなウィスパーボイスと滑らかなメロディが心地良い、

ミディアムバラードとなっている。

 

一緒にいたかったけど、別々に生きた方がお互いが輝ける。

そんなことに気付いてしまった時、人はどんな選択をするだろうか。

好きなのに別れを選ぶなんて、ドラマや映画の世界だけだと思っていた。

それでも大人になると、好きだけでは続けられない恋があることを知った。

 

こんなに一緒に居て楽なのに。

こんなに自分をさらけ出せるのに。

こんなに見つめていたいのに。

 

嫌いになるから別れるのではない。

そんな恋愛は遠い昔に置いてきた。

大人になると、別れの原因は複雑になっていく。

夢を追うために遠くに行く相手を応援するため。

重い病を患っていることを告げられ、相手を思い、知られずに離れるため。

大切な人の好きな人が、自分ではないことを知ってしまったため。

 

過ぎる時間の速さが驚くほど速い。

楽しければ楽しいほど、風のように日々が過ぎ去っていく。

好きな人と居ると、誰しもがそう感じると思う。

そして、そんな愛おしい時間をただ過ごしていればいい、

そんな簡単な人生はない。

 

決断の時が迫っているように感じる。

このままで居たいのに、居られない。

選ばなければいけない。

長くは、続けてはいけない。

 

それなりに別れは経験してきた。

恋人も、友人も。

でもそれは、ちゃんと相手を嫌いになって、終わらせてきた。

でも今は違う。

 

一緒にいたかった、誰より近くで。

2人は離れて、互いに輝くことが出来るだろうか。

迷ってもその答えは誰にもわからない。

そう信じられればきっと、別れを決断することができるのだから。