#64 Worlds end / Mr. Children

捨てるのに胸が痛んでとっておいたケーキを

結局腐らせて捨てる

分かってる 期限付きなんだろう

大抵は何でも

永遠が聞いて呆れる

         Worlds end / Mr. Children(作詞:Kazutoshi Sakurai)

 

2005年にリリースされた、

Mr. Childrenの12thアルバム「I●U(●:ハートマーク)」収録曲。

後にベストアルバムにも収録され、ライブでも良く歌唱される人気曲のひとつである。

 

人間は、永遠を心のどこかで信じていたりする。

ずっとこの人に添い遂げたい。

死んでしまっても、永遠にあなたのことは忘れない。

生き物には全てに終わりがあるからこそ、永遠を尊く思い、その言葉にすがる。

私たちはいつか、命の電池が切れる時を迎えるのに。

 

大抵は期限付きなのだ。

「永遠の愛」を誓ったところで、どちらかが命を落とせばそこで途切れる。

そしてやがて、残されたほうも、眠りにつき、終わってゆく。

そんなことみんなわかっているのに、「永遠」という言葉が、

歌詞や、ドラマの台詞や、色々なところで使われている。

 

無論、私も永遠を信じたい生き物だ。

ずっと自分のことを思ってくれますように。

すっとそばにいられますように。

そうやって、いつまでも続けば良いのにと、願ってしまう生き物だ。

 

だから、終わりを迎えるのが怖い。想像もつかない。

とっておいたケーキが腐るくらい、短いスパンで迎える終わりならきっと、

用意に想像ができるし、「ずっと」なんて可笑しな望みは持たないだろう。

いつ死ぬのかなんて、わからないから、終わりが見えず、永遠を夢見てしまう。

でも実際に命の電池は着実にエネルギーを消費していて、

私たちの命は日々刻々と削られていっている。

 

いつ終わりは来るのか。

わからないけれど、その時に、あなたがそこに居てくれたら。

人間なんて所詮、そんなちっぽけな願いを最期に抱いて死んでいくのだ。

だけどそのちっぽけな願いは、確かにその人の全てなのだ。

最期にそばにいてほしい人。

誰も浮かばない人には、そんな人が出来てほしいと心から思うし、

自分にも、そう思う人が最期に居てくれたら、それ以上の幸せはないと思う。

君が、最期までそばにいてくれたら。