#74 キング オブ 男! / 関ジャニ∞

辛くて夢を小さくまとめんじゃねぇ!

全てを捨てても挑めよ

夢を掴もうぜ仲間で

お前のためなら死んでも良い

面白くねぇ世の中をぶち壊せ!!

    キング オブ 男! / 関ジャニ∞(作詞:若旦那(from 湘南乃風))

 

2014年にリリースされた関ジャニ∞の27thシングル表題曲。

湘南乃風の若旦那が作詞したことで当時話題となった。

「ズッコケ男道」や「モンじゃい・ビート」など、

おちゃらけたイメージの強い彼らだが、

アイドル路線のジャニーズ楽曲にあまり見られない、

非常に男くさい強気な楽曲が彼らのイメージとのギャップを産んだ。

絶妙に若旦那らしさを残しつつ関ジャニ∞の色を出している全体の雰囲気が、

非常に好きで、もっとヒットしても良かったのでは、と思ったほどである。

また、時には「愛でした。」や「マイホーム」などアイドル路線の楽曲も歌い上げ、

「LIFE~目の前の向こうへ~」のようにバンド編成で楽曲を披露することも。

固定イメージがつきがちな多くのアーティストとは一味違う、

他のアーティストにはない魅力を感じることが多い。

 

1番と2番で全く異なる歌詞で世界観を作るアーティストや、

Mr. Childrenのように絶妙に韻を踏んだり歌詞に隠れた繋がりがあったり、

様々な工夫が施されているが、この曲は比較的似た内容の歌詞を並べている。

しかし、不思議とどちらもしっくり来るところが気に入っている。

 

よく、「2番の歌詞なんだっけ?」「2番の歌詞知らない」という人を目にするが、

私の場合この曲は、どれが「1番のサビだっけ?」と困惑する。

特に韻を踏んだりしているわけではなく、同じ「夢」をかぶせてきたり、

どのサビでも「お前のためなら死んでも良い」という共通の歌詞を使っていたり、

似ているから仕方ないのかもしれない。

しかしながら、最も世間の印象に残るであろう1番の歌詞、

「夢を掴むまで止まんじゃねぇ」と同じくらい、

いや、それ以上に「夢を小さくまとめんじゃねぇ」がメロディにぴったりな気がして、

だけどそれが2番のサビなんだと言うところが、非常に好きだ。

 

また、MVで印象的なのも、やはり2番。

メンバーが向かい合って交互にダンスを披露する、

ダンスバトルのようなものが繰り広げられている。

個人的にはもっとこのシーンを増やして欲しいと思ったものだ。

非常に見ごたえがあり、チンピラに扮した彼らが喧嘩の代わりにダンスバトル、

という発想が見ていて微笑ましい。

 

昔と違い、男女差別なく女性が活き活きと生きる時代。

女性が前に立つこと、発言をすること、指揮をとること、

そういった権利が平等なのは当たり前の世の中になったからこそ、

「草食系男子」というような言葉が過去生まれてきた。

男なんだから、というが、女性は今まで秘めていただけで、

同じだと私は思う。

大切な人のためなら死んでも良いと思う。

夢を掴むまで止まらない。

面白くない世の中をひっくり返そうとだってする。

 

男の人をたてる、という常識のリーチが無くなってもなお、

男のほうがいわゆる「男らしいんだ」と主張するような、

女性よりも強いんだぞと言わんばかりの男くささを醸し出すような。

本当は女性と同じで弱い部分も持っているし男性が一歩引いていたって良い世の中に、

負けるな男!まだリードは男にある!と男が男を励ましているような、

そんな空気が、男として情けなくもあり、クスッと笑えて何とも好きなのである。