#76 日々 / 吉田山田

泣かせた日 家を出て行った日

抱き合えた日 背を向けて眠った日

希望を持たせた日 それを恨んだ日

溢れる涙よ やけにデコボコな日々

おじいさんはからだをこわして

おばあさんは独り泣いた

伝えなくちゃ 大切な気持ち

いつも毎日本当に、、、、

出逢った日 恋に気づいた日

結婚した日 別れたいと思った日

子供を抱いた日 手を離れた日

溢れる涙よ これは幸せな日々

涙の数だけきっと幸せな日々

                   日々 / 吉田山田

 

2013年にリリースされた吉田山田の9thシングル表題曲。

みんなのうた」で人気に火が付いたこの曲は、感動的な歌詞が印象的。

大ブレイクし音楽番組でも何度も歌唱された。

 

毎日毎日同じことの繰り返し。

学校や職場と家の往復で、未来に希望が見えない。

そんな風に見えて、一日一日に目を配ると、

意外と新しい発見があったり、自分の成長を感じられたり、

私たちひとりひとりに「日々」があって、

その「日々」があるからこそ今がある。

 

長い時間を共に生きてきたある老夫婦をテーマに書いた歌詞は、

聞くだけでその喜びや悲しみのシーンが頭に浮かぶ。

自分のめまぐるしい日々の中の光と影が、

一瞬でフラッシュバックするかのように浮かび上がる。

そしてこれから先、自分が結婚し家庭を持ち、

歩んでいく日々に転がる希望や不安を、映像化する。

 

人生は、最期に振り返ったとき、幸せな日々だったと思えれば

それでいいと私は思っている。

大切な人を泣かせたり、喧嘩をしたり。

子供が生まれた時の感動や手を離れたときの寂しさ。

人は嬉しいときも悲しいときも、涙が出る。

涙の数だけ、様々な感情の起伏がデコボコな日々を作る。

何もない平坦な日々より、辛いことがあったほうが良い。

小さなことも、幸せに思えるから。

 

長い人生を共に過ごした大事な人が、この世を離れて逝くとき。

そんなこと、まだ先のことだと思って想像も付かない。

だけど必ずその時はやって来る。

もしくは自分が先立つかもしれない。

悲しくて悲しくてもう立ち直れなくなるのか、

幸せだった日々の宝物を胸に、空に浮かぶその人の笑顔に微笑むことが出来るか。

どうなってしまうのかはわからないけれど、

自分が天に旅立つ時に、「あぁ、幸せだった。ありがとう」

そう思える日々を過ごしたい。

そのゴールに辿り着けるように、日々の小さな選択の、正解を選び続けたい。

せっかく、この世に生まれてきたのだから。