#81 Silent Scream / GIRL NEXT DOOR

針で穴を開けた心の風船は、少しずつ、

でも確実にしぼんでく

中途半端なまま、答えも出ていない

曖昧な空気が流れ出してしまう

ひとりひとりが、この世界の一部だと思う

その溜め息が、この未来を埋め尽くさぬように

         Silent Scream / GIRL NEXT DOOR(作詞:千紗 / Kenn Kato) 

 

2011年にリリースされたGIRL NEXT DOORの11thシングル表題曲。

5年という短い活動期間ではあったが、彼女達もまた、数多くの楽曲を残している。

ポップな曲が多い彼女達の曲の中では心機一転となった楽曲ではあったが、

東北地方太平洋沖地震と重なり、延期に延期が重なりリリースとなった。

そのためか、キャリア初オリコントップ10を逃してしまったものの、

個人的には非常にヒットした楽曲である。

 

生きていると、自分のいる世界の狭さや、

その狭い世界で足掻き苦しむ醜い自分の姿を客観的に見て絶望する。

自分はここで何をやっているんだろう。

何の為に生かされているんだろう。

世のため人のために働くなんて、面接など表向きにはそう言っても、

偉人ではあるまいし、生きた証も残せずに人知れず死んでいくことを考えたら、

その気にもなれない。

 

ひとりひとりが、この世界の一部だと思う。

どれだけの人がそう思っているだろうか。

皆、自分が大事で、手を差し伸べることが出来たとしても自分の知り合いまで。

医者や看護師のような仕事に就かなければ、

人々のために、なんて思うこともないかもしれない。

 

だけど、ふと気付いた。

私は人に迷惑を掛けることを拒む。

ルールや規律には従順なほうだし、

自分がよければそれで良い、という考えはもちろんないことはないが、

他人を犠牲にしたり不快な思いをさせてまで自分の思いのままに事を進めようとは思わない。

それはつまり、他人の存在を認め、知らぬ人ひとりひとりを、

この世界の一部と思って接することが出来ている、と言えるのかもしれない。

 

この曲はもともとTwitterというタイトルが付いていた曲。

顔を出さずに好き勝手発言できるSNSの世界をテーマに、自分とは何かを問いかけている。

このブログも同じ。ここで何かを発言することは、Silent Screamなのだ。

その言葉は、色々な人に向けてどんな形にも変えることができる。

誹謗中傷がネット社会で昔から課題とされているが、

それをする人はどんな気持ちで悪意を投げつけているのだろうか。

存在の証明か、人を蔑むことで自分で自分を認めるためか。

 

周囲から受けた攻撃が、

例え針で指を刺してしまった時の様な小さな傷口を作るようなレベルであったとしても、

心は少しずつ、確実にしぼんでいく。

心が傷だらけになればなるほど、その速さは加速する。

私たちは、目の前の人に向けた発言はもちろん、

見えない世界での言動にも気を付けなければならない。

傷が人を育てることももちろんある。

だけど私は、なるべくフラットな立場で、ひっそりと生きていたいと思う。

この世界の一部でいられる、それだけできっと、生きている価値がある。