#87 かけがえのない詩 / mihimaru GT
そばにいて そばにいて そばにいて
たった一人の君 代わりなんていないから
信じて 信じて 信じて
たった一つのメッセージ
どんなに離れても届ける I'll be there for you
かけがえのない詩 / mihimaru GT
(作詞:HIROKO・猪野秀碧・MITSUYUKI MIYAKE)
2007年にリリースされたmihimaru GTの12thシングル表題曲。
気分上々↑↑でブレイクした彼女達が翌年に発表した、そのイメージの逆をつくバラード曲。
ドラえもんの映画主題歌にも起用された。
アップテンポな曲が人気の彼女達だが、私はこの曲がとても気に入っている。
メッセージはとてもストレート。
たった一人の君、代わりなんていないから。
在り来たりだが、結局人は直球な言葉に弱いものだ。
今になって、この言葉がとても染みる。
社会人になって、代わりなんていくらでもいる、そんな現実を知った。
それでも自分は違うのだと、同年代の中では必要とされていると、
証明したくて色々と成果を出してきたものだった。
転職を決めた時、あんなに引き止められて、あんなに惜しまれ温かく送ってもらったけれど、
私の代わりを誰かが担い、私が去った後も同じように現場は回っていたことだろう。
転職した先は、その前よりも業務量が多く、
私は何の為に仕事をしているのだろう?私が辞めても誰も困らない、
そんなことを良く考えた。
だけど、私のことを、代わりなんていないと思ってくれる人ができた。
ずっとそばにいてと、伝えてくれる人がここにいる。
私は私の存在価値を、その人が証明してくれたような気がした。
恋愛は出逢い別れを繰り返すもの。今の人と別れてもまた次がある。
だから私がいなくなっても、また次の愛する人を探してくれればいい。
そんなことをかつての恋人にも思っていたけれど、そうではないと言ってくれるのは、
なんて幸せなことだろう。嬉しい否定だ。
先日、同年代の俳優が自ら命を絶った。
彼がどんな苦しみを抱いていたのかは誰にも解らない。
けれどひとつ思ったこと。
あなたを、あなたの代わりなんていないと思ってくれていた人はきっといたと思う。
あんなに輝いていたんだから、家族は、友人は、恋人は、きっと自慢に思っていたことだろう。
その人を思えば、その人たちが苦しむことを想像できれば、
踏みとどまれたのではないかなと、思ってしまう。
何の輝きもない私ですら、その言葉が支えとなって踏ん張っているのだから。
そばにいて、たった一人の君。代わりなんていないから。
優しい言葉だ。そんな言葉を掛けてくれる人を見つけて欲しい。
そんな言葉を掛けたい人を見つけて欲しい。
きっと、苦しくても、その人のためなら、生きていようと思える。
どんなに駄目でも、その人が生きている限りは生きていようと、踏ん張れる。
必要な言葉は、「頑張れ」じゃない。きっと、この曲の歌詞のような言葉だ。
うわべじゃない、心からの。