#41 フレンズ / 大塚愛

あの写真から聞こえる笑い声

どこまでも響いてたね

いくじなし

ポツン 涙なんて情けなくて

わざとイヤなヤツのフリした

              フレンズ / 大塚愛

 

2004年にリリースされた大塚愛の6thシングル「大好きだよ。」収録曲。

本人主演の映画主題歌にも起用されており、比較的知名度の高い曲である。

後にリリースされた2ndアルバム「LOVE JAM」にもカップリングながら収録された。

 

何かに躓いた時に、ふと目に入る輝いていた頃の自分。

ふてくされた気持ちは、輝いていた頃に目を背けたがる。

そして本心を無理やりどこかに隠そうと、偽りの仮面をつける。

思ってもいない言葉を人にぶつけたり、冷たい態度で接したりする。

ただ、そうではないときもある。

本心を隠すために思ってもいない態度を取ってしまうのではく、

自分の心を押し殺してわざと悪者になる。

 

どちらも、なかなか他人には理解されず、離れていってしまうことが多い。

きっと若いうちは尚更、言われたことや取られた態度を直に受け止めてしまう。

その裏に、どんな気持ちが、どんな言葉が隠れていたのかを考えるほど、

大人ではないからすれ違う。

もちろん、そんなことを知ったり経験したはずの大人だってすれ違う。

 

根っから嫌なヤツだって、いるだろう。

でも、大好きなあの人が、ずっと一緒だったあの人が、

いつもと違う冷たい言葉を発したら、

あなたはそれを真実の言葉として受け取るだろうか。

お前は変わってしまったのだと、その人から去っていくのだろうか。

あぁ言ってるけど本当は寂しいだけなんだと、

本当は照れ隠しなんだと、わかってくれる人がいないと、

素直じゃない人間はいつか独りぼっちになってしまう。

 

気持ちが見え隠れしてまるで駆け引きのような付き合いをする人間は、

本当に面倒だ。こんな動物、人間しかいないだろう。

でも、だから人はどの動物よりもきっと人生を、一生を楽しんでいる。

表の言葉や態度だけじゃない、心の奥を知り合えるような関係を、

築けた人達を私は羨ましく思う。

そんな人と出逢えたことは、一生の宝物だ。

そんな宝物を、一生に一度は手にしてみたいものである。

#40 Lemon / 米津玄師

戻らない幸せがあることを

最後にあなたが教えてくれた

言えずに隠してた昏い過去も

あなたがいなきゃ永遠に昏いまま

きっともうこれ以上

傷つくことなどありはしないと

わかっている

                     Lemon / 米津玄師

 

2018年にリリースされた米津玄師の8thシングル曲。

この曲が2018年の顔と言っても過言ではない。

配信ダウンロードでは100万回を突破しているメガヒット曲である。

ドラマの世界に合わせ、死をテーマにした楽曲となっており、

彼が持つ独特の闇の世界観と「死」というテーマが非常にマッチしている。

 

今の時代、音楽はCDの売り上げだけではなく配信や動画視聴など、

様々なデータを元に「ヒット」が生まれる。

しかし、今更ではあるがLemonに関してはダウンロードではなく、

DVD付きCDを購入することをお勧めする。

もともと菅田将暉とコラボした楽曲「灰色と青」が大好きな私は、

どうしても二人の歌唱シーンが収録されたDVDを見たくて購入したのだが、

その他にも代表曲のライブシーンが多く収録されており、

シングルの価格で購入するにはもったいないほどの充実した内容になっているのだ。

これに関してはお勧めしている記事を何度も見たことがあるが、同感である。

 

この人がいなくなってしまったら、もう生きていけない。

そんなことを思えるくらいの人に出会ったことはあるだろうか。

あなたを失う以上に傷つくようなことなんて起こりはしないと、

思えるような人に。

自分の心の深い闇を話せるような人にはもう出逢えないし、

あなたがいなくなったら、あなたといた幸せは戻りはしない。

そんな絶望がこのフレーズからひしひしと伝わってくる。

そして、家族や友人、恋人、大切な人たちのことが思い浮かび、

いつかそんな日を自分も迎えるのだろうと、恐ろしくなる。

 

そんな昏い歌詞の中でも、対比として出てくる「光」という言葉。

今でもあなたは私の光。

亡くなった人は心の中で生き続けると言うが、

時が経ち、仕事や恋愛、たくさんのことで埋められていく頭や心にも、

必ずその人の記憶が入る隙間は残されていて、

ふとした瞬間に無意識にその人が思い浮かぶ。

埋もれた記憶の中でも亡くなった人はずっと輝いていて、

どんなに暗くきつく敷き詰められた心と頭でも、

その光をいつまでも記憶の中から見つけることが出来るのだ。

絶望だけでを感じさせるのではなく、少し温かさが伝わる歌詞も魅力的である。

 

ヒット作を出したアーティストは、その次の作品に苦悩すると聞いたことがある。

世間の注目を集めたことにより、

その曲のヒットでトップアーティストの道を登っていくか、一発屋で終わるか、

分かれ道が待っている。

多くのアーティストに関して、ヒットした曲の次にリリースした曲の方が、

売り上げ枚数は低いが良い曲が多いように思う。

 

米津玄師は2月にこのLemonをリリースし大ヒットとなってから、

満を持して今月9thシングル「Flamingo / TEENAGE LIOT」をリリースする。

多くのアーティストのように、ヒット後は期待が寄せられることもあり、

気に入ってもらえる可能性を増やすため母数を増やし、

両A面か、3曲以上をA面曲とするEPのようなシングルで来るか、

どちらかだと予想はしていたが、今回は2曲A面のシングルとなる。

ただ、ピースサインやLOSERなどヒットしそうな王道ポップスではなく、

耳に残るような雰囲気の異なる王道からは少し外した楽曲をメインにすることを、

予想していたリスナーは少なかったのではないだろうか。

しかし彼は既に一発屋になるようなアーティストではないことは、

多くのJ-POPリスナーが感じ取っていることは間違いない。

これから先も名曲を世にたくさん残すことを期待すると共に、

私個人的にも、これまでの心を捕まれるような楽曲が、

これからも発表され続けることを、楽しみにしている。

#39 影踏み / 一青窈

いつの間にか大きくなっても

僕よりうんと幸せがいい

いつからずっと強くて弱いの

君は知ってて

同じ空みてくれてたの

                   影踏み / 一青窈

 

2005年にリリースされた一青窈の6thシングル曲。

もらい泣き、ハナミズキとヒットを飛ばした後のリリース曲と言うことで注目された。

彼女の歌詞は独特なものが多く、唯一無二なものが多い。

その中でも、影踏みは親と子を描いた比較的読み取りやすい歌詞となっている。

 

子供はいつの間にか大きくなる。

気付かないうちに知らない言葉を覚えたり、恋をしていたり、

親の知らないところでもどんどん成長する。

子供の幸せを一番に考えて仕事を頑張っている親が、

その仕事のせいでそんな成長の瞬間ひとつひとつを見逃している。

皮肉なものだ。でも、それが生きると言うことであるし、

子供もまた、親を頼らずとも多くのことを学び、自分の世界を生き始める。

 

幼稚園や学校に通い始めれば、なお親の目から離れてしまう。

親は、子供の成長を喜ぶと共に、大きくなっていく我が子を見て、

時に寂しさも感じることだろう。

やがて結婚し家を出て行ったり、選択した進路や仕事の都合で親元を離れる。

それまでの時間は何年何十年とあったはずなのに、

あっという間に感じて喪失感を覚える。

 

それでも、離れていっても、

親はずっと親で子はずっと子なのである。

いつの間にか大きくなってしまっても、

僕よりうんと幸せでいてくれと願う親心を綴ったこの歌詞は、

これから成長していく我が子への希望と、

いつか離れていってしまうであろうその時を思い描いた切なさが、

入り混じっているようで、何とも言えない気持ちになる。

 

いつから自分は大人だったのだろう。いつまで子供だったのだろう。

年齢だけで判断できることではないような気がする。

二十歳をとうに超えていても、実家に帰れば子供のような。

子供がいなくても社会で働いていれば大人のような。

親になって初めて大人になるような。

まだ子供でいたいと願う気持ちや、早く大人になりたいと思う気持ち。

人間の心とは、とても複雑なものである。

 

それでもいつの間にか、時間は過ぎる。

自分では気付かないうちに、心も成長していたりする。

子供の成長なんて尚更だ。

だから、今この瞬間を大切に。

生きると言うことは人間にとって一瞬だ。

見えている世界は、常に変化を続け過去になっていく。

時間を共に過ごすことの大切さを、私たちはちゃんと理解して、

短い人生の中の一瞬一瞬の奇跡を心に刻み、

喜びや悲しみを味わわなければ、勿体無いのである。

#38 ぎゅっと / Sexy Zone

どんな時も笑顔でいる優しいひと

隠れて泣いてる優しいひと

もうちょっと、あともうちょっと

本当の君でいいじゃん

                     ぎゅっと / Sexy Zone(作詞:宮田航輔(nicoten)・菊池風磨

 

2017年にリリースされたSexy Zoneの14thシングル曲。

キャッチーなメロディや子供達と楽しく踊っているPVが印象的で、

年末にもパワープレイされヒットした彼らの2017年の代表曲である。

メンバーの菊池も作詞に参加したことも話題となった。

 

この曲を聞いた大人たちは、こんなありきたりなJ-POP、

なんて思うかもしれない。

ただ頑張れと歌う曲は昔から絶えず、またこれかと思われ、

恋愛の歌ばかり書いているとそれしか芸が無いと言われ、

新しさを求めるリスナーは世の中にたくさんいる。

Perfumeが送り出したエレクトロサウンドがヒットしたのも、

新しいものを求めている現代人の思考にマッチしたからであろう。

 

それでも、私は「頑張って」と言ってくれる音楽は尽きてはいけないと思う。

昔の歌を聴いていればいいじゃないか、と言われればそうなのかもしれないが、

今、この時代に頑張っている人がたくさんいる。

昔の曲を知らない世代が、学校と言う閉鎖的な空間の中でもだえていたり、

テレビを見る時間も惜しむような多忙な社会人がたまたま目にしたり耳にした時に、

ふっと肩の力が抜けるような、そんな曲がいつの時代にもあって良いと思う。

今の人が伝える「頑張って」も、重要な役割を果たしているのだ。

 

承知の通り、みんな自分の世界で頑張っている。

周りの人が見ていないところで歯を食いしばって耐えている。

弱い自分を曝け出すのが苦手な人はたくさんいるし、

負けてたまるかと戦っている人もいる。

もうちょっと、あともうちょっと、本当の君でいい。

今よりほんのちょっとだけ、誰かに本音を話してみようか。

今よりほんのちょっとだけ、力を抜いてみようか。

張り詰めている人は、そう簡単に自分を諦めないし手は抜かない。

だから、もうちょっと、あともうちょっと。

その声掛けがとても素敵だし、ちゃんと届くんじゃないかな、と感じた。

 

私はあまりTHE王道アイドルのようなグループの曲を好んで聞いたりはしないが、

しっかりとメンバー本人の言葉で、この歌詞が出来上がったことは、

彼らにとってはアーティストとしての階段を一歩上がったことになるのではないか。

少なくとも私の中で、Sexy Zoneはただ歌って踊り、

笑顔を振りまくマスコットではなく、

音楽を通して伝えようとする意思を持っている人たちなのかな、

と、見る目が変わった曲でもある。

今後の彼らの"アイドル"ではなく"アーティスト"としての一面にも、

注目していきたい。

#37 (don't) Leave me alone / 浜崎あゆみ

どうかひとりでいさせて

今はひとりでいさせて

だけどひとりにしないで

               (don't) Leave me alone / 浜崎あゆみ

 

2008年にリリースされた浜崎あゆみの9thアルバム「GUILTY」収録曲。

この頃から発表される曲がポップな曲よりもダークでロックテイストが目立ち、

シングル曲でも「Mirrorcle World」や「Rule」などでヒットを飛ばしている。

浜崎あゆみの中期から晩期にかけての王道曲とも言えるのではないだろうか。

 

この曲はまず、タイトルのつけ方にセンスの高さを感じた。

ひとりになりたい時、ひとりにして欲しいけれど、

そのままひとりにはしないで欲しい。

わがままだが人間はそういう生き物だ。

この物理的にひとりになりたいんだけど心をひとりにしないで欲しい、

というような内容の曲に括弧をうまく利用して、

(don't)Leave me aloneというタイトルをつけたのは素晴らしいと当時感動した。

当時は曲名やアルバムのタイトルに括弧をつける習慣はあまりなかっただけに、

なおさらそのすごさを感じて10年経っても記憶に残っているのである。

 

もういっそ罵って、ならいっそ突き放して、

優しくなんてしないで、受け止めたりしないで。

相手を遠ざける言葉が続くこの曲は、人間の我侭で自分勝手な本性を書き表している。

言葉では突き放しても、心の中で引きとめて欲しい、追いかけてきて欲しい、

そんなような事を思うものだ。

時にはわざとそんな言葉を投げかけて相手を試す人間だっている。

 

面倒なやつだと思われたら離れていってしまうし、

強がって本当の自分を偽るのは心からの関係とは言えない。

人間の心はなんて複雑なのだろう。

浜崎自身も恋はたくさんしてきただろうし、

女性らしいそんな天邪鬼な一面もあるのかもしれない。

ルックスや会社のプッシュだけではない、人間らしい歌詞が書けるからこそ、

彼女はトップスタートしての階段を登ったのだと思う。

 

本能のままに生きるのが苦手な人間の、言葉の裏を読み取るのはとても難しい。

だけどそれが言葉にしやすいのが歌であり、音楽なのである。

相手の本心を理解するのは動物の中で唯一人間に課せられたもの。

人との関わりを面倒だと思わず、心に寄り添うことができる人間に、

なれたらと思う。

#36 GOLD / B'z

みんなの声が聞こえたかい?

一人でも恐くない

気がついただろう?

                   GOLD / B'z(作詞:稲葉浩志

 

2001年にリリースされたB'zの32ndシングル曲。

シャウトの激しいロック曲のイメージの強さと同じくらい、

B'zはバラードのヒット曲も多く、人気曲も多い。

オーケストラによるストリングスから始まる壮大なバラード曲で、

17年経った今でも色褪せない名曲のひとつである。

 

今年デビュー30周年を迎えるB'z。数多くのヒット曲を世に残した彼らは、

日本を代表するアーティストでありロックバンドであることは明白である。

作詞が稲葉、作曲が松本のスタイルは今でも変わっておらず、

デビュー当時から30年、数多くの曲を発表してきた。

このアニバーサリーイヤーにはドームやスタジアムを回り、

多くのリスナーをツアーに動員している。

デビューから30年も経ったバンドが、

これほどの規模でライブを行えるほどの人気を保っているのは奇跡とも言える。

 

何か辛い日々に襲われているとき、

全てをネガティブに捕らえ、明日が来るのを畏れ、目を伏せる。

どこかへ出掛けたり、誰かと会って時間が早く進んでしまうことを畏れ、根を張る。

毎日を過ごすのが精一杯で、何も無い一日に幸福を感じ、

また扉を開かなければならない時が来るたびに、脚は重くなる。

 

人はどん底に落ちてしまうと、周りが見えなくなる。

良かれと思って掛けられた誰かの言葉も、余計なお世話に感じてしまう。

何も知らないくせに、なんてつき返してしまうのだ。

何かのきっかけで我に返らないと、その優しさは身に染みていかない。

優しい言葉はネガティブな気持ちに形を変えられて、

意地悪や嫌味、見下した言葉に変換されて頭に入ってきてしまう。

本当の声が聞こえてこないのである。

 

みんなの声が聞こえたかい?気が付いただろう?

シンプルな歌詞ではあるが、ここには短いフレーズで的確に、

励ましの言葉が刻まれている。

この曲を聞いて、掛けられた言葉の意味を考え直した人がいたとしたら、

カッとなった自分に気付き、相手の気持ちに気付いた人がいたとしたら、

書いた稲葉は本望なのではないかと勝手に思ってしまうほど、

私はこの曲の中でこのフレーズが気に入っている。

 

これまで何度も書いてきたことではあるが、

辛いときは思い出さなければいけない。

自分は一人で生きて来たわけじゃない。

助けてくれた人がたくさんいる。

耳を傾けるべきは、自分を見てくれている人たちの言葉だ。

 

自分を失くしてしまいそうな時は、耳を澄ましてみよう。

あの時のあの人の言葉が、蘇ってくるかもしれない。

苦しくても、一人でずっと籠っていてはいけない。

本当に苦しい時こそ、外に出て誰かと触れ合って欲しい。

あなたの異変に、心の叫びに気付く人がきっといる。

消えてゆく陽の黄金色に、誰の言葉を、誰の顔を浮かべるだろうか。

ひたすら、未来に待つ最高の瞬間を想えばいい。

一歩出た世界から、新しい日々が始まるはずだ。

#35 君 連れ去る時の訪れを / GARNET CROW

君を連れ去る時の訪れを

降り続く雨 こんな日は想いを巡らす

どんな出会いも別れがあるから

心の奥で幸福畏れた

    君 連れ去る時の訪れを / GARNET CROW(作詞:Azuki Nana

 

2004年にリリースされたGARNET CROWの4thアルバム「I'm waiting 4 you」収録曲。

アルバムのラストを飾るこの曲は壮大なバラードに仕上がっており、

ファン投票でも上位の人気曲で、解散後のリクエストベストにも収録された。

個人的にはリリース当時からとても気に入っていた曲で、歌詞のテーマも素晴らしく、

「今日の君と明日を待つ」に匹敵する隠れたアルバムの名曲と思っていたが、

割とメジャー曲だったことを知り少し落胆した記憶がある。

 

人間はいつか必ず息を引き取りこの世を去る。

別れのない出会いはなく、だからこそその儚さに価値が生まれる。

どんな出会いも別れがあるから、それがわかっているから、

失ったときの悲しみを畏れて逃げてしまう人もいるのかもしれない。

しかし、パートナーが余命わずかと知りながら結婚する人だっているし、

最期の最期まで時間を共にすることを選択する人は大勢いる。

どちらを選択しても、悲しみが満ち溢れることに変わりない。

ならば、いつか消えてしまうなら、大切なものはそばにある方が良い。

 

手を繋いだら二度と離れない、そんな出逢いがいい。

でも、大切な人を、そして自分をこの世から連れ去る時は必ず訪れる。

皆、心の中ではわかっている。

それでもまだ先のことだと現実から目を背けて生きている。

それが実際に先のことで今も楽しく暮らせている人もいるだろうし、

突然失った経験をした人だっている。

 

周りの人が突然この世からいなくなってしまったら。

病気を患って、覚悟ができる猶予が与えられるが、

刻一刻と迫るその時を肌で感じながら息の詰まる時間を過ごすのと、

事故や突然死などで急にその時を迎えるのと、どちらが良いのだろうか。

自分だったら、誰にも迷惑をかけず突然、と思うかもしれない。

でも自分以外の人にはどんな形であれ可能な限り長生きを望むかもしれない。

人間は自分勝手な生き物だ。

 

だから少しだけ、この曲を聴いた時に誰かがいなくなった時のことを想像して欲しい。

お互い悔いなく終わることが出来るように、毎日の言葉を交わして欲しい。

難しいことだ。日本人は特に、気持ちを言葉にするのが苦手な人種である。

だから、言葉にするのは無理でも、せめて態度で示して欲しい。

いつかの別れを想いながら生きるなんて苦しいことはしなくて良いから、

いつその時が来てもあなたのそばにいることができて良かったと、

思い思われるような関係で、常にいることができるように。

それ以上、素敵なことなんてないのだから。