#26 タッタ / ゆず
たった一度きりの人生
泣いてばかりいちゃダメだ
あっちこっち覗いてみたって
誰かと比べてみたって
いなくなるなんて言ってないで
立ってまた歩き出そうぜ
タッタ / ゆず(作詞:北川悠仁)
2017年にリリースされたゆずの配信シングル曲。
後にEP「謳おう」に収録され音源化された。
ギターとタンバリンを使ったシンプルな伴奏の弾き語り曲で、
ゆずらしさを感じる楽曲となっている。
日本人は特にそうなのかもしれない。
周りばかりを気にして、自分と誰かを比べて優劣をつける。
ネガティブな人間は劣等感を感じ、「自分なんて」と思い始める。
負の連鎖が頭と心の中で始まるのだ。
もし自分が今いなくなったって、誰も困らないだろう。
そんなことを考えたことはないだろうか。
泣いてくれる人はいるだろうか。
葬式に何人来てくれるだろうか。
確かに才能を持って生まれてきた人はたくさんいる。
しかし人間独りの力なんて、そんなに大きなものではない。
小さな努力を重ねた人間に実りがあるのはもちろんだが、
生まれ持って来たポテンシャルには、そこまで大きな差はきっとない。
それでも、育て方や生きてきた環境、本人の性格によって選択した道のり、
そうして人間の幅は少しずつ広がっていく。
多くのファクターが人間を差別化しているからこそ、
毎日積み重なる選択を掛け合わせた母数は計り知れないほど大きいものになり、
同じ人生を歩んできた人間は誰一人として存在しないと断言できるほどの確立となる。
自分はこの世でたった一人なのだ。
深く考えてしまえばそんな言葉が頭に浮かんでくるが、
ゆずがこの曲に込めた思いはきっともっと単純なもの。
深く考えすぎるな。しょげずに一歩ずつ進んでいこう!
良い意味で楽観的に胸の痞えを取り除こうとしてくれている、
そんな思いが曲調と彼らの楽しそうな歌い方から伝わってくる。
そしてライブグッズにタンバリンを準備するほど、
恐らく本人たちも気に入っている曲であり、
会場に足を運んだリスナー全員と楽しく歌って踊るライブ定番曲になりつつある。
誰かと自分を比べても仕方ない。
自分にないものを他人が持っているのは当たり前。
自分が持っているものを他人が持っていないのも当たり前。
まだ見つけれられていないだけなのだ。
自分の持つ何かを、得てきた経験を、活かせる何かに。
だから、泣いてばかりいないで、他人と比べていないで、
自分を消すことは考えず、立ち上がって一歩ずつ歩いていけばいい。
そのうち何か、
何かきっと見つかるはず。