#30 明日への賛歌 / flumpool
「いつでも優しい人」って君は慰める
だけど挑戦者で常にありたい
僕を縛り付けてよ
もう逃げられないように
この胸溢れ出す情熱で
何度だって焼き尽くしてよ
もう戻れないように
何が起きてもこの拳握りしめて
2014年にリリースされたflumpoolの初のベストアルバム、
「The Best 2008-2014 「MONUMENT」」に新曲として収録された楽曲。
めざましテレビのデイリーテーマソングであったため、
長期にわたってパワープレイされた、彼らの曲の中では比較的知名度の高い楽曲。
flumpool自身もこの楽曲に込めた思いは強く、
発表以降のライブでは高確率でセットリストに入り、
ライブの締めくくりアンコールのラストなどに起用されていた。
思うがまま走っていた若かりし頃からいつしか、
大人になると気づいたときには聞きわけが良くなり、
褒められることが大事になって言われたことだけやるようになってしまった。
そんな自分も昔は情熱を持って生きていたじゃないかと、
忘れた記憶を取り戻させるように心に訴えかける歌詞が印象的である。
ドラマでもよくエピソードにあるように、人は若い頃に持っていた情熱をいつしか忘れ、
社会に馴染みルールを守ることで身を守りながら生きるようになる。
ぶつかるのも嫌だし変に争うこともしたくないからだ。
本当は自分の指針を持っていたはずなのに、いつしか忘れてしまう。
周りと争わないように主張せず生きていると、
「○○君は優しいね」、「○○君の良いところは優しいところ」、なんて、
優しい部分しか褒めてもらえるポイントがなくなってくる。
大勢の人から言われればそれは事実として一見認められているように聞こえるが、
裏を返せばそれしか褒めるところがないのである。保守的だね、と言われているようなものだ。
もう逃げられないように縛り付けてくれ。
戻れないように過去を焼き尽くしてくれ。
忘れていた情熱を捨てずに、目を逸らさずに歩いていきたいという気持ちを、
力強い言葉で表現している決意に満ちた歌詞だ。
人は逃げ道を作るから弱いまま。
だからそんなものは焼き尽くしてくれと、
そんな言葉が心の扉を叩く。
それほどの決意を持って、私達は何かに向き合うことが出来ているだろうか。
大人になればなるほど、逃げることや目を伏せることに慣れてしまう。
慣れてしまえば日常を変えるのはより困難になる。
後悔する前に、何かを失う前に、一歩踏み出すことが出来た人間は、
「優しい人」では終わらないだろう。
そこに自分がカテゴライズされることはできるのか。
すべては自分次第である。